始めて電球型の植物育成ライトを購入してみました。今まではLEDのパネル型のライトを広範囲に照射できるからといった理由で使用してきましたが、どうも光量が足りないのではないか疑惑が出てきまして、お試しで電球型を使ってみようかということになりました。
購入したのは「Impremade 24W 植物育成ライト」
結果として感じたのは、パネル型LEDライトに比べてはるかに明るいということと、その照射範囲は狭いということで、シーンにより両者を使い分けるのが賢い使い方かなということになりました。
Impremade 24W 植物育成ライト
このLED電球は、調べた中では24W定格の電球では最安値だったかな。
電球の使用は以下の通りで、これを信じればまともそう。
全長 | 127mm |
外径 | 95mm |
重量 | 425g |
口金 | E26 |
定格電圧 / 周波数 | 100-120V 50/60Hz |
定格入力電流 | 240mA |
力率(PF) | ≧ 0.65 |
消費電力 | 24W |
定格寿命 | 40000h |
フルスペクトル | 380-780nm |
演色評価指数 | Ra98 |
色温度 | 約 5700K |
照射角度 | 36° |
照度(照射距離 40cm) | 42800Lux |
光量子束密度【PPFD】(照射距離 40cm) | 702μmol/m²/s |
調光調色機能有/無 | 調光調色不可 |
メーカーは「Impremade」という名称で、原産国は「中国」の長沙市にあるようです。
製品の特徴
販売ページから抜粋すると…
- 【高照度、高PPFD、高演色性】Impremade 24W 植物育成ライトは照度42800Lux、PPFD値702μmol/㎡/s(LED素子直下、照射距離40cm)、演色評価Ra98の優れた性能を持ち、太陽光の代わりに室内で植物を元気に育てることが可能です。植物が必要としている明るさが確保できるよう、照射距離を調整し、観葉植物や野菜からアガベまで幅広く多種多様な植物を育成することが可能です。さらに、徒長を防ぐにも有効です。
- 【自然光に近いフルスペクトル】自然光は紫外線から赤外線までの範囲のエネルギーを持つスペクトルを伴います。ただし、植物の育成に必要とする波長は主として可視光線であるため、380~780㎚の波長範囲を有するLEDライトをフルスペクトルLEDライトと言われています。光合成に対して、赤色光(640~690㎚)の効果が大きく、葉の成長には青色光(420~470㎚)が必要とされているため、当社のフルスペクトルLEDライトは赤色光と青色光の割合をバランスよく調整し、植物の各成長段階に応じて最適な波長を提供します。
- 【照射範囲】当製品は専用集光レンズを使用して照射角度を36°に抑えています。高い照度、PPFDを確保するとともに、必要な照射範囲も確保しています。
- 【材質、構造、放熱性能】当製品の主体部(ヒートミンク)は放熱性能に優れたアルミニウムを使用しています(LED素子の放熱を外部へ発散させるため、ヒートミンクの温度は高くなります)。また、バックシェル(PVC製、難燃仕様)に高品質駆動電源を内蔵し、絶縁放熱シリコーンを充填して安全性、耐用性を確保しています。また、本製品はPSE認証(電気安全法適合)を取得しているため、安心・安全にご使用いただけます。
この通りならすぐれた植物育成用ライトということになりますが、ホントかな??
Impremade 24W 植物育成ライトの外観
届いた製品を早速検証してみましょう。
内容物は、植物育成用LED電球と日本語説明書の2点。質素ですが十分な梱包で好感が持てます。
ちなみにPSE認証はきちんとしているようです。良くあるなんちゃってPSEではないみたいですね。
植物育成用LED電球本体
LED電球本体です。重量ですが仕様では425gとなっていて手で持ってみてもズッシリときます。
照射面。照射角36度のレンズがはめ込まれています。いろいろとやってみたのですが、レンズの取り外しはできないようです。
給電部、すき間もなく丁寧に作ってあります。
放熱器部分。この電球がどのくらい発熱するのかはわかりませんが、アルミ製とのことで見た目ではよく冷えそうです。
Impremade 24W 植物育成ライトの使用感
この電球を使用するには電球ソケットがいります。別に買わなければなりませんがそれほど値が張る物ではありません。用意したのはこれ。
今回使うのは1つで足りるのですが、後々のことも考えて4個セットのものを購入しました。
電球用のソケットからコンセントにさせるコードが伸びていて途中にオン・オフのスイッチがついているという簡素なものです。取付用の金具が付属しているのはうれしいですね。
これを使って天井から電球を吊るしアガベに高光量をくれてやろうというわけです。
実際に点灯してみました
写真のように天助から吊るし仕様通りの明るさがあるのか試してみました。当然ですが、照射範囲は見てのとおり狭いですね。
吊るしにはカラビナを使用していますが、これはLEDパネルライトに付属していたものを流用しました。捨てなくて良かった。これを使うとライトの高さも比較的簡単に変更できるので重宝します。
実際の照度を測る
仕様通りの照度が出ているのか確認してみましょう。
照度の測定には下の照度計を使用しています。手頃な価格で簡単に照度が測れるので優れものです。
仕様では以下のようになっています。
PPFDって何?
PPFD(光量子束密度)とは光の量を示す値で、単位はμ mol/㎡sです。 光りの量は植物の育成に影響するため、植物ライトは照度 よりもPPFD値を重視されることもあります。 自然界では、植物が異なれば、必要な光のレベルも異なります。 植物と光の強さの関係によって、一般的に陽性植物と陰性植物 に分けられます。
簡単には「植物が感じる「明るさ」の単位」だそうです。
40センチでの照度
まず40センチ離れた場合の照度ですが、上の図では42800Luxですから実用的な明るさですね。
それでは実際に計測してみます。
ライト直下の照度
40センチ離れたライト直下の場合、仕様では42800Luxとなっていますが実測では約29000Lux程度しかありません。仕様の68パーセント程度の照度しかないことになりますね。
直下から10センチずれた点の照度
仕様では25600Luxですが実測では約18000Luxとなっています。仕様の70パーセントです。
直下から20センチずれた点の照度
仕様では3680Luxですが実測では約3300Luxとなっています。仕様の89パーセントです。
仕様どおりの照度は出ないのかな???
実際に計測してみると、仕様上の照度から3割程度低い値が出ています。
この理由として考えられるのはいくつかあります。
- 照度計が狂っている
- 計測方法もイマイチ正確性に欠ける
- LED電球の個体差
- そもそも仕様が盛られている
まだあるかもしれませんが、いずれにしても確認のしようがないので現実を受け入れるしかありません。あと、光のスペクトルも計測のしようがないのでカタログの太陽光に近いフルスペクトルといううたい文句を信用するしかありません。
まぁ、照度が足りないとはいえ明るく光っているのでこのまま使用して見ます。
仕様どおりの照度を得るには
ちなみに、更に10センチ下げて30センチの距離で仕様どおりの照度を得ることができています。下げれば下げるだけ照射範囲が狭まっていくので不利には違いありません。
この場合、直下から10センチ離れて約19500Lux、20センチ離れて2200Luxとなっています。照射範囲が狭まる方向ですので周辺に行くほど照度の落ち込みが激しくなっています。
結果的に十分な照度を得るには中心部から15センチ以内の範囲程度になりそうです。
LED電球動作中の温度
動作中の温度ですが、消費電力24Wとはいえ小さい筐体なのでそれなりに熱くなります。
ざっくりと計ってみたのが下の画像で、51.5℃を表示しています。実際に電球を握ってみたところ、かなり熱いとは感じますが、火傷しそうなどといった感じではなくさわり続けても大丈夫な温度でした。このくらいなら、念のため少し風を当てるなどすればまず問題はないレベルでしょう。
まとめ なかなか難しいところです
簡単に照度の計測をしてみましたが、今回は仕様どおりの照度はでていないような結果になりました。
購入時の価格は3000円を下回っていたので最安値の部類でしたが、今ではBRIMなどの他メーカーとほぼ同じ水準ですので、わざわざこの製品を購入するメリットはあまりないかなと思います。
とはいえ、狭い範囲ですが手軽に強光線が得られ、さらに低消費電力の「Impremade 24W 植物育成ライト」、使ってみる価値はあるでしょう。
次回は人気の「BRIMブリム SOL 24W 植物育成ライト」を購入して同じように照度計測をしてみましょう。
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